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アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

料理が出来上がり、ママさんとアキも席についた。

ママさんの手料理は、家庭の味だった。

野菜の肉巻きの照り焼きがめっぽううまかった。

商店街で買った惣菜もあった。

ひじきの煮物とか、春巻とか、いろいろ買ってきてくれた。

メイちゃんがご飯をこぼしたら、アキが拭いてやった。

「メイちゃん、ちゃんと前向いて食べて。」

アキはひとりっ子だから、まるでメイちゃんを妹のように世話をやいていた。

それをヨシオ先生とママさんが笑って見ている。

あたたかい家庭の風景だった。

ぼんやり見ていたら、箸が止まっていた。

「オジサン、食べないの?」

アキが不思議そうにたずねた。

「いや、食ってるよ。うまいよ、全部。」

俺はあわてて箸を動かした。

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