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アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

すっかりご馳走になって、ヨシオ先生の家をおいとますることにした。

「タクシー呼びましょうか?」

ママさんが言ってくれたが、大通りで拾うからとお断りした。

ちょっと歩きたかった。

もうちょっとアキとも話したかった。

翔ちゃんも、そんな俺の雰囲気を察知してくれた。

「アキさん、大通りまで案内してくれない?」

翔ちゃんがさりげなくアキに頼んでくれた。

俺とアキと翔ちゃんは、お礼を言ってヨシオ先生の店を出た。

ヨシオ先生とママさんは店の前で見送ってくれた。

「………。」

俺はきびすを返してヨシオ先生のもとに駆け戻った。

ヨシオ先生は不思議そうに首をかしげた。

「あの…、アキのことよろしくお願いします。」

俺は頭を下げた。

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