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アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

タクシーが俺んちの前に着いて、翔ちゃんに礼を言って降りた。

ふと空を見上げると、星が少しだけ見えた。

アキと出会った夜を思い出した。

その冬一番の寒い夜、星がすごくきれいだった。

あの夜、俺は未来を見失ってた。

俺と同じ、かすかに光る星だと思ったアキが、大きく輝き出した。

「俺も負けてらんねぇな…。」

煙草を切らしてかもと胸ポケットをまさぐったら、2万円入ってた。

「なんだこりゃ…。」

首をかしげながら、マンションのエントランスのドアを開けた。

目の前のことを、だだひたすら頑張るんだ。

そして、

未来を想像することを忘れない。

未来を創造する努力をやめない。

そう、

夜空にアスタリスクを描くように。

その先のステージを目指して。

進もう。



【アスタリスク・おわり】

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