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アスタリスク【ARS.O】

第1章 今年いちばん寒い夜

「寒っ…。」

俺はジャンパーの襟を寄せ、かじかむ手に息を吐きかけた。

放射冷却の影響で、キンと凍りつくような夜。

空を見上げると、星がキラキラと輝いている。

星を見上げるなんて、いつ以来だろう。

ポケットに手を突っ込んで、コンビニエンスストアの駐車場の片隅に座り込んだ。

耳がちぎれそうなほど痛い。

こんな寒い夜に、マフラーも手袋も持たず、俺は体を小さくした。

「星が落っこちて来そうだな。」

俺は、ただ星空を見上げた。

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