テキストサイズ

アスタリスク【ARS.O】

第3章 駆け抜ける毎日

俺たちはドームツアーの合間を縫って、正月番組の録りをやっている。

だいたいは録ったんだけど、まだ何本か残っていて。

あと、歌番組のスペシャルとか紅白やカウントダウンもあって、怒涛の忙しさだ。

仕事がたくさんあるのはありがたいことだけど、時々心があっぷあっぷしてしまう時がある。

仕事は順調すぎるくらい順調なのに。

でも、どうしても頑張りきれずに息が詰まる時があるんだ。

昨夜は、そんな夜だった。

仕事終わりに電車に飛び乗って。

そんなことしたって、どうにもならないのに。

あんパンを半分に割ってかじった。

「うめ…。」

あんパンは、身に染みるうまさだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ