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アスタリスク【ARS.O】

第4章 会いに行く

コンビニの前でタクシーを降りた。

「確かこの辺だったな…。」

かすかな記憶を頼りに、しばらく歩く。

見えてきた古い単身者用マンション。

階段を上がり、二つ目のドアの前に立つ。

「正月だから、実家にでも帰ってるかな…。」

俺は、おそるおそるインターホンを押した。

「誰?」

ドアの向こうから声がした。

「俺、サトシ。」

ガチャンと音がしてドアが開いた。

「マサラタウンから来たの?」

アキがハハッと笑って顔を出した。

「だから、ポケモンじゃねぇし。」

俺は口をとがらせた。

アキは、「ちょっと待ってね」と言ってドアを閉めた。

しばらくして戻ってきたら、手にはキャップが握られていた。

「はい、忘れ物。」

アキは俺にキャップを手渡した。

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