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アスタリスク【ARS.O】

第6章 現実の生活

それからは俺は忙しくて。

大阪の個展とかあって。

お客さん来てくれるのか不安だったけど、会期が始まればたくさんの人が来てくれた。

初日の様子を物陰から眺めてた。

みんな笑顔で作品を観てくれた。

俺は初日を見届けると東京に戻った。

新大阪でアキに大阪土産を買った。

粟おこしとかいうやつ。

東京の雷おこしと同じようなものなんだけど、大阪土産は昔から粟おこしが定番らしい。

俺はカバンに粟おこしを詰めて東京に帰った。

東京に着いたら、すぐにアキに電話した。

「大阪行ってきたから土産持っていくよ。来週会えるか?」

『オジサン、大阪に出張だったの?仕事は順調なのね、よかったじゃん。』

アキはいまだに俺が会社をクビになった人で、今は再就職したと思っている。

そして、いつまでも俺のこと心配してくれる。

母ちゃんみたいだ。

「まぁ、順調だよ。」

俺は嘘にならない範囲で答えた。

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