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アスタリスク【ARS.O】

第6章 現実の生活

『それより、ドラッグストアで潤のポスター見たよ!すごいね、シャンプーの広告してるんだね!』

「あ、うん…。」

『暖かくなったら潤に会わせてね。ストールと手袋返さなくちゃ。』

「もらっといていいんじゃねぇか?あいつ、ストールも手袋も100枚は持ってるぞ。」

『駄目だよ、返すって約束だから。』

アキはマジで潤に惚れてる感じで。

潤に会いたくてしょうがないみたいだった。

「アキ、潤には彼女いるんだよ…。」

俺がアキを潤に会わせた手前、俺がちゃんと言わなくちゃと思った。

電話の向こうのアキがしばらく沈黙した。

『わかってるよ…。あんないい男、フリーの訳ないもんね。それに私とは住む世界が違うよ。』

「何か、ごめん…。」

俺は申し訳なく思った。

『いいよ、あの日潤に親切にされて本当に嬉しかった…。でも、ストールはきちんと返してお礼が言いたい。』

何でこいつはこんなに凛としていられるのか。

「わかった。暖かくなったら潤に会いに行こ。」

『ありがと、オジサン。』

俺は電話を切った。

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