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アスタリスク【ARS.O】

第8章 オジサンの正体【アキ】

オジサンと潤に病院に連れていってもらって、熱はみるみる下がった。

医学の力ってすごい。

熱のせいで落ちた体力は、潤からの差し入れを食べて取り戻した。

みかんが本当に美味しかった。

きちんと食べると、元気が出る。

潤はそれを知っているから、あんなに美味しい料理を作れるんだ。

潤におんぶされたことが忘れられない。

潤の背中は広かった。

髪からはいいにおいがした。

私の顔を潤の髪がふわふわとなでて、くすぐったかった。

しっかりと私を背中にのせると、力強く走った。

潤は男なんだと思った。

思い出すだけで、胸が苦しくなる。

そして、これは叶うことのない気持ちだって思うと、もっと胸が苦しくなる…。

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