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アスタリスク【ARS.O】

第9章 チャイニーズレストランへ【アキ】

しばらくオジサンとお金の押しつけ合いをしていた。

「いらないのなら、ワタシがもらってあげまショウか?」

二宮が口をはさんできた。

「二宮は関係ないでしょ!」

「オー、怖い。クワバラクワバラ。」

二宮は肩をすくめた。

オジサンはしばらく封筒のお金を見つめていたかと思うと、私のポケットに封筒をねじ込んだ。

「これは絶対に受け取れない。」

オジサンは、強い目をしていた。

有無を言わせず、私を病院に連れて行ったときのように。

もう言い返せなかった。

私は封筒を鞄にしまった。

二宮がラジオのチャンネルを変えた。

心地いい洋楽が流れてきた。

カルチャークラブ。

ブリティッシュロックはお母さんが好きだった。

二宮は鼻歌を歌いながらハンドルを握っていた。

オジサンは、じっと窓の外を見ていた。

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