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アスタリスク【ARS.O】

第10章 宴【アキ】

「乾杯!」

ジョッキを合わせて、宴が始まった。

「おいニノ、お前飲んだら帰りどうすんだよ。」

オジサンが二宮に聞いた。

「ワタシ、明日は昼からだから相葉さんちに泊まりマス。」

「じゃあ、俺とアキどうすんだよ。」

「濃い顔の男前に送ってもらいなサイヨ。」

二宮はニヤニヤしながら私を見た。

「翔ちゃんはどうすんの?」

オジサンが櫻井に聞いた。

「僕はタクシーで帰るよ。」

千葉から東京までタクシーで帰る…。
金銭感覚の違いに驚いた。

よく見ると、皆が身につけているものはどれも高そうなものばかりだった。

さりげないカジュアルファッションも、あか抜けていた。

私は自分の服装を見た。

量販店で買ったカットソーにジーンズ。

急に自分がみすぼらしく思えた。

貧乏神。

櫻井の言葉がよみがえった。

「どしたんデスか、元気ないじゃん。」

ジョッキを傾けながら、隣に座った二宮が話しかけてきた。

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