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☆ラリマーの扉☆

第11章 真夜中の逢瀬~終わりを告げた逢瀬~

行かなくちゃ、あの丘へ。

聖なる丘へ……

また一目散に走ってゆく。

由良…紡いでいった時間は無駄じゃない。

最後は自然の叡智の花を摘んで帰ろう…

「由良、来たよ…雲が広がる朝だよ」

応えてくれなくてもいい。

星空が輝かなくても、君とは繋がっているから。

晴れである限りは…

「由良、手紙を置いとくよ…いるなら読んでね」

ぼくはフッと手紙を置いた。

読んでほしいな。由良…

「今までありがとう。この聖なる地よ…」

祈り、お礼を言った。

神様が宿っているような気がするから。

薄いピンクの花、オレンジ色の花を摘んで
ぼくは帰ったんだ。

…由良。

逢瀬は終わりを告げた。

だけどさ
何らかの形で会えたらいいな。

そう信じたい。

ぼくは悲しさを持ちながら

家へ帰った。

『真夜中の逢瀬~終わりを告げた逢瀬~』      
                終

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