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☆ラリマーの扉☆

第11章 真夜中の逢瀬~終わりを告げた逢瀬~

夢で会った由良はどうしてあんなに

狂っていたのだろう?

という疑問を朝一番に浮かべる。

朝起きてのコーヒー1杯

ぼくを癒す、とっておきのクッキーと一緒に。

飲みながら、ぼくは便せんと封筒を用意する。

由良に手紙を書いて、あの丘に置くんだ。

普通にどこでもあるボールペンを持ち
由良に想いを伝える。


由良へ

もう見てはくれないかもしれないけど

想いは伝えさせて。

由良は怖いかもしれない。

だけどぼく、由良に会えて良かった。

偶然の出逢いから、真夜中の逢瀬に繋がったのは、本当に…運命。

こんな嬉しいことなんてなかった。

……ずっと一緒に居てほしい。

って思ってももう
居ないんだよね。

受け止めなくちゃいけないんだ。

まだ…会えないということを
受け止められない自分がいるけど

…いつかは受け止められるよね?
そう信じたい。

また、夢の中で会えたら嬉しいな

今までありがとう。由良。

          ショウより。



ぼくは書く最中、涙を流した。

…受け止められない自分と愛を募らせる自分。

もうわかんなくなっちゃって。

絵の具が混ざった感じがして
グチャグチャだ…

何もかもが混合しながらも
手紙に封をして、その封筒を抱き締める

「由良───…」

由良はもういないのに

手紙すべてが由良だと思ってしまう。

……今までの逢瀬が、愛おしい

すべてが幻想になった感じで…
愛が破片になって散らばる……

目を閉じ、愛の記憶を封じ込める。



────…受け入れなくちゃと。

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