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☆ラリマーの扉☆

第15章 狂愛王子と捕らわれしハニー2

「…っ、あなた!?これ…」

目覚めたか。
結構強い睡眠薬を入れたはずだが──?

眠らせて、縛りつける時間は
なんと短いことであろうか…。

「ハニー…目覚めてしまったか」

「やっ、あなた、下ろして!
何を考えているの!?」

叫ぶなんて…
ほんの少しそそられたな…。

「わかったよ、ハニー。君の思い通りに…」

さりなの願い通りにしてあげる
ぼくが楽しんでいたね…。

縛られているさりなを
下ろす。

「やぁ…外して」
儚い声が、かすかに聞こえた。

「わかってるさ…」
今外せば鎖の跡、刻印が刻まれているだろう。

薔薇と共に咲く鎖の跡もまた
美しく感じる…

さりなの体は紅い跡が
刻まれていた──…

「やっ─やだ、跡だらけ」

死んでないからいいじゃないか、ハニー

嫌がるな、ハニー…

「跡は美しく思わせる」

さりなはきっと…
ぼくの歪んだ性格を理解しているはずだ

「…はっ、そんな訳ないじゃない」

体には紅い印をつけて
そんなことを言うさりな。

アートじゃないか…。

狂愛王子の手に堕ちたさりなは

可哀想、としか言えない……

可哀想にさせたのはぼくだけどね……

ふふ…

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