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☆ラリマーの扉☆

第16章 狂愛王子と捕らわれしハニー3

「…僕が入った瞬間に閉じたんだよ」

「そんなぁ…なら出られないじゃない」

そういうとオジサンは
元の姿に戻った……

美しき麗しき王子の顔に。

「出られなくていいじゃないか?
…せっかく、君を追いかけて来たのだから。
愛し合おうよ」

「いやだっ……」

もう逃げられない。

また、王子の鳥かごになる─────…

もう…会ってしまったからには
大人しく捕らわれていなくちゃいけないのかな。

「愛し合いたくないっ!」

振り切るしかない、ただ……もう。 

「どうして……?」

体は扉に打ちつけられているので
動けない。

「どうしてそんなこと言うの!?
ぼく、おかしくなっちゃうよ……っ」

急に子供らしくなった王子。

「ああっ…あぁ…なんて最低なさりな…
お仕置きしなくちゃっ……」

歪んだような笑い方をする王子…

王子は何か召喚をするかのような手つきだ…。

そしてあらわれたのは

大きい、鳥のかご─────…

「さりなぁ…」

私の名を呼び、後ろのえりを掴まれた。

そして、大きなかごの中に入れられた。

「やめて!出して!愛し合いたくないよぉ……!」

また、捕らわれた。

殺して終わったはず、終わったはずなのに─────…

「……ふふ」

そう笑い、教会を出た。

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