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☆ラリマーの扉☆

第16章 狂愛王子と捕らわれしハニー3

もう空は暗くなっていた。

さりなの住む都市の空は
明るい青色の空だ。

「…さりな。今度こそ逃がさない
永久の女として居てほしい」

「……いやだよ」


王子は何も言わず明るい青色の空の果て、
2人は異世界へと消えた……

**********

ついたら、あの日のお屋敷で。

捕らわれたあの日の。

「君に拒否権はないよ…」

「……あぁ…う……」

拒否することも許されず
私は涙を流すばかりなのか─────…

「捕らわれていなさい、さりな」

「……うぅ…でも出して……」

「…ふふ、なら逃げないって約束できる?
それなら出してもいいよ、ハニー…」

「約束する…」


王子は「よし」と言い、カゴの中から
出してくれた。

「そうだ」

次は何なんだろう……?

「君が逃げないよう、薔薇の手錠をつけて
行動を共にしないとね…」

王子はクスッと笑った……

「…あ……」

もう王子のされるがままだ……
さりなの目から涙が出る。

「…さぁおいで、ハニー…」

拒みたい、拒みたいよ…
拒否権がほしいよ…

「言うことが聞けないのかな?」


私の本能が行くことを許さない。

「はぁ…」と王子はため息をついた。

さりなの腕をグッとつかみ、無理やり
薔薇の手錠を付けられた。

「いやだっ…」

そして、王子の手にも薔薇の手錠がつけられた……。

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