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☆ラリマーの扉☆

第16章 狂愛王子と捕らわれしハニー3

平凡な生活をする私に闇がさすなんて…

信じられない。どうして?

「君しか愛せないんだよ、ぼく…」

「…っ」

受け入れられない、私しか愛せないというを…。

「君しかいないんだよ!」

愛を感じられない…

この王子はもう狂ってる…
私しか見えない、私の美貌しか見えないんだ

思ってることなんてわかってない

さりなは悔し涙を流した…

お母様…お父様、今度はもう帰ってこれないかも…

本当の……失踪。

「君は今、何を思った?
ぼくのことを何と思ったんだい?」

心が読めても、理解してくれない。

「…ねぇ」

言えない。

「狂った王子って…どうしてそう思うの……?」

「それは…」

それは、の先が言えない。

「ぼくは君のことを愛してる!
それなりじゃない…好きなんだよ!」

切実な顔で言われても
どうしようもない…。

どう受け止めればいいのかな。


そのとき

王子が刃物をちらつかせた。

「愛してることが伝わらないならさ
殺しちゃってもいいんだよ……?
前に君がぼくを殺したようにさ…」

殺す……

現実か夢か分からぬこの場所で殺される…

愛するがゆえに殺す…

なんておぞましいことなの。

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