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☆ラリマーの扉☆

第3章 理解者という契約と面影

「おれさ、さりなに話しかけたかったんだけどさ、勇気がなくて、友達に何を思われるのか分かんなくて、ずっと立ち止まってた」

「そう……」

あの日の男の子は
リーダー的存在の君だったんだね

……信じられないくらい
昔とは違う。

「さりな、つきあったりはしないが
理解者で、友達としてなってくれないか?」

「うん…だったら、ユウって呼んでいい?」

理解者ならば……

「いいよ」

「ありがとう」

今のわたしたちは理解者でいること。

信じられる唯一の相手、盾として……

優しかった頃を理解できるのは
私だけ。

あの取り巻き達には到底理解できないでしょう……

「ユウ、これからは素を共有しよう…」

手をさしのべる。

わたしたちなら演じることもないでしょ?

「ああ…さりな…ありがとう」

あの日の面影は

忘れない

それは貴方だということを

消えかけていた私の記憶は

理解者という契約により繋ぎ止めてくれた────…

ありがとう

これからは……わた…しと…

「理解者という契約と面影」    終

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