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☆ラリマーの扉☆

第25章 深緑の王女の役目

「ここ…暗くて光がわずかにしかないのです…」

光もなく、見つけてもらえないような
この深緑の森。

「そうですね…」

忌まわしい地だと言ってもおかしくはないのに……

「この地は前、葉におおわれていませんでしたが…何がそうなって、そうなったのでしょうか」

封じ込められ、闇の世界になった
この大地はもう何も見えない────…

「きっと…この木を何者かが急成長させたのでしょう…」 


自然に育ったわけではないし…
不自然に育っているとしか思えない。

「…そうとしか、考えられません」

「…そうだな」

メルレは、何かを取り出し、手に浮かせている。

「これは秘薬で、深緑の結界といいます…
けれど、私はこの秘薬に触れられません… なのでこの薬を私にかけて欲しいのです」

おれは、浮いている薬を取った。
薬のフタを開け、メルレにかけた────…

「ありがとうございます」

かけるとメルレの体のまわりに結界が出来ている。

それも彼女に似合う深緑の結界。

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