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☆ラリマーの扉☆

第25章 深緑の王女の役目

大きい木についた。

少女に話しかける前に上を見上げた。

葉も生い茂っていて、どこまでその葉っぱがつながるのだろうか、と思うくらいだ。

その葉は太陽、光を封じ込めている役割が
あるのかな、とも思う。

話…かけてみようかな。
ちょっと勇気がいるけれど。

「あの…」

あの…としか言えなかった。
もし聞こえなかったらどうしようかと
思うくらい恥ずかしい。

その少女は何か一点をみつめる目をしている。

「あら…こんなへんぴな場所に人が居るとは。」

「…迷いこんでしまって」

おれは頭を少しだけ掻いた。

「そうですか。この深緑の森には昼と夜は
ありません。封じ込めているのです」

封じ込めている……か。

「私はこの深緑の森の妖精、メルレです」

「ほう…おれは都築アズヤだ」

メルレは、茶色のツインテールで
深緑のコートと足まである長いドレスに身を包む。

そして背中には羽がはえている。

正真正銘の妖精だ。

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