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☆ラリマーの扉☆

第29章 図書室のキミ

「ボクが君の恋人になるということさ」
狙っているみたいな言い方をしちゃった。

「はっ…はぁ…でも、あなたは誰?」
途切れ途切れにながらしゃべる彼女。

「ボクは星月悠だ…ねらいに来たよ」
台に乗っている彼女を抱きしめる…

届かないから腰のあたりをギュッとした。

「ひゃぁ!さわらないで!」
彼女はボクの手をふりはらった…

「いやがることはないだろう?」

「い…いやだ!」
静かな図書室に響く君の声。

彼女は逃げてしまった…。

いちもくさんに。

「…す、すまない…」
言っても届かぬ謝罪
恋愛にぶきような、ボク
ボクに恋愛はまだ早すぎた────

緋由は嫌がった…

無念だ──────…

「図書室のキミ」 終

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