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☆ラリマーの扉☆

第33章 具現化した欲望

金曜日の午後、叶美は細長い廊下を歩いていた。

コツコツと歩いてると
秋野が向こうから歩いてくるのがわかる。

「お嬢様」

「あら秋野…」

口数の少ない秋野は自分から話しかけてこないが、今日はたまたま話しかけてきた。

「今日の夜、ぼくの部屋に来ませんか?」

誘われた私。
今日の彼は珍しい。

「行かない」

冷たくして、叶美はコツコツと去っていった。

いっぽう彼は……

「行かないならぼくが行きますがね…」

と、ボソリと言ったのだ。

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