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☆ラリマーの扉☆

第33章 具現化した欲望

そして、その次に
ニーハイソックスを履かせた。

彼の器用な手により。

「最後…パンプス」
ひとりごとを言ったのがわかる。

赤色、黒色 という
左右が違う、珍しいパンプス──…

見たことがない。


「珍しいであろう」

「そうね」

そう言い、パンプスをはいた。

またまた彼の器用な手によって。

「これで完成ね?」

彼は離し、私は立ち上がる。

鏡で見ると本当のアイドルみたい。

「…どう?」
後ろにいる彼が聞いてきた。

「素敵よ」

「ありがとう。ぼくが君のために選んだんだ」

「まぁ…秋野」

怖さも感じたが嬉しさも感じた。

「ふふふっ、嬉しいわ~」

秋野は薄い表情で叶美を見ていた…

「主導権を持つあなたでも、こんな顔をするのか…」


「あはは、本物のアイドルみたいね!」

秋野のつぶやきなど叶美には聞こえない。

「…フッ。可愛らしい」

つぶやきは叶美の声でかき消されてしまう。

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