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プリンス×プリンセス

第79章 写真と涙

かなり辛辣な言葉にビックリして、ルークスを見上げた。

ルークスは私を見てうっすらと笑う。

「あまりにも痛々しかった」

思い出を振り返るように、少しだけ遠い目をしている。

「目的を達したらこの人はどうなってしまうのだろう…と、不安に思っていた時もありました」

ルークスはジュークの直属の部下だった。

近い場所にいたからこそ、ジュークをよく見ていて…

だからこその言葉なんだわ。

ルークスの言葉にこくりと頷く。

目的を果たしたなら、きっと私達の前から姿を消して…

生きているのか死んだのかも分からないほど、痕跡を消してしまうのも、ジュークなら出来るだろうと思う。

「けれど、今日、久々に会って…あの方にも守りたいものが出来たのだと思うと、少しほっとしています」

守りたいもの…?

「それはルー…テシアちゃんの事?」

名前を言い淀んでしまった。

後悔で顔を曇らせた私に、ルークスは少しだけ憐れむような顔をする。

「……はい。そうです」

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