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プリンス×プリンセス

第80章 決別

昨日の夜、テリオス様が出かけて行った。

いつもなら自分を連れて出かけるのに、今回はルークスさんを伴って出かけた。

……何故なんだろう?

そりゃあルークスさんと比べられたら、全然勝ち目なんかない。

ルークスさんの方が立ち振舞いも能力も上だし、頼りになるのは分かる。

でも、面白くない。

テリオス様の執事は僕なのに!

ため息をついて、テリオス様の部屋の前に立つ。

無理矢理に笑顔を浮かべて、扉をノックした。

「おはようございます。テリオス様」

声をかけて少し待つ。

この段階で起きてこないのはいつもの事だ。

もう1度ノックして、反応がないようなら部屋へ入る。

そのつもりでノックすると…

「おはよう」

ドアが少しだけ開き、テリオス様の声がした。

「あ、起きていらっしゃったのですか?」

ドアを開くと、ぼんやりした表情のテリオス様が立っていて…

「…眠れなかったのですか?」

それくらい、顔色が冴えない。

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