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プリンス×プリンセス

第80章 決別

一目見ただけで分かったのに

「ん?ちゃんと寝たよ。うん、寝てる」

嘘だと分かる言葉を重ねるのは、どうしてなんだろう?

「何か用か?」

「もうすぐご朝食の時間ですので」

毎日の事なのに、今気付いたかのように目を見開くと

「あ…そうか。じゃあ支度しないとな」

そう呟いて、大きめなため息をついた。

テリオス様のこういった行動は珍しい。

いつも明るくて、元気なテリオス様なのに…

「お手伝いしましょうか?」

「あー…うん。頼む 」

一瞬迷ったのが分かった。

「はい」

にっこり笑って部屋に入るけど…テリオス様の様子に不安になる。

もしかして、またアレのせいなんだろうか?

「あまり食欲はありませんか?」

「いや、食べるよ」

そう言うけど、冴えない表情のまま眉根を押さえている。

これは…きっとそうだ!

「もしかして…うなされたんですか!?」

「え?」

「前のように、その…金縛りが」

僕をキョトンと見ていたテリオス様の顔が…

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