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プリンス×プリンセス

第12章 アクシデント

「テリオス、お願い!!」

姉上に頭を下げられた。

いつもなら「任せとけ!!」って胸を叩くところだけど…

「はぁ!?」

俺から出たのは、嫌で堪らない拒絶の声。

「いくらなんでも、それはちょっと…」

「だけど、今更…どうしようもないわ」

悲しげに顔を伏せられて、俺の気持ちも揺らぎそうになって…

「でも、だからって…」

それでも、頑張って踏みとどまる。

ここで許可したら、大変なことになるのは分かっているから。

そんな俺に、姉上は眉根を寄せて懇願した。

「私の代わりに、結婚式に出て頂戴」

あ、一応姉上を庇うわけではないんだけど、別に姉上が結婚を拒んでる訳じゃない。

ただ、つまづいて足を捻挫してしまったんだ。

さっき見せてもらったけど、足首が赤く腫れ上がっていて…

「この足では靴も履けないし、あの距離を歩くのも難しいわ」

確かに。

式では長いバックトレーンを引きずって、教会の中を歩かなきゃいけない構成になっている。

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