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プリンス×プリンセス

第12章 アクシデント

その足で歩くのが酷だって事は分かるんだ。

「披露宴は出席するから、式だけ」

姉上は俺を覗き込むように顔を近付けると

「ね、お願い!!」

俺の手を握り締めた。

必死だな。

「姉上はそれでいいのかよ」

俺の言葉に、姉上の目が揺れた。

「一生に一度の事だぞ!?」

結婚式なんか、もう二度と体験できないんだぞ!?

それを代役にやらせるなんて、絶対後悔するだろ!?

だけど、姉上は真っ直ぐに俺を見ると

「だからよ」

ハッキリとした口調で話し出した。

「生放送もされるし、王族の関係者が勢揃いするのよ!?ディオに恥をかかせるわけにはいかないじゃない?」

…なるほどね。

「体裁か」

冷たい声で言うと、

「もちろんよ。これは私個人の問題じゃないわ。国の問題なんだから」

そこまで割り切ってるのかよ。

何だか悲しくなってきて、姉上から顔を反らした。

この結婚は、姉上とディオにとって、何なんだろう…?

口元を引き締めると、姉上に返事をしていた。

「…分かったよ。で?俺はどうしたらいい?」

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