
プリンス×プリンセス
第81章 風が吹いた
そんな衝動に襲われるけど…
『ティアナを見守ってあげて』
あの時、泣いている私を抱き寄せて、囁かれた願い。
必ず、と答えた。
その気持ちに嘘はない。
でも――
その話は誰にも言えない。
私の胸に閉じ込めておくのは苦しいけど…言ってはならないから。
あの人のために。
ティアナ様のために――
はぁ…と大きく溜め息を付く。
「シルフィ…?」
私を窺うように、カムリの瞳が不安げに揺れている。
カムリに悪気はない。
ただ、心配してくれているだけ。
その心配が…私が欲しいものとずれているだけ。
そこが…1番問題なのかもしれない…
「もう少し落ち着いたら届くだろうから」
「へ?」
驚くカムリにもう一度溜め息を付く。
「大好きなテリオス様の手紙」
「大好きって…」
照れなのか焦りなのか。
見たことの無い奇妙な表情に、つい笑ってしまった。
困ったように口を曲げるカムリに、微笑んで言った。
「楽しみに待っていなさいよ」
『ティアナを見守ってあげて』
あの時、泣いている私を抱き寄せて、囁かれた願い。
必ず、と答えた。
その気持ちに嘘はない。
でも――
その話は誰にも言えない。
私の胸に閉じ込めておくのは苦しいけど…言ってはならないから。
あの人のために。
ティアナ様のために――
はぁ…と大きく溜め息を付く。
「シルフィ…?」
私を窺うように、カムリの瞳が不安げに揺れている。
カムリに悪気はない。
ただ、心配してくれているだけ。
その心配が…私が欲しいものとずれているだけ。
そこが…1番問題なのかもしれない…
「もう少し落ち着いたら届くだろうから」
「へ?」
驚くカムリにもう一度溜め息を付く。
「大好きなテリオス様の手紙」
「大好きって…」
照れなのか焦りなのか。
見たことの無い奇妙な表情に、つい笑ってしまった。
困ったように口を曲げるカムリに、微笑んで言った。
「楽しみに待っていなさいよ」
