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プリンス×プリンセス

第81章 風が吹いた

はい!?

「テリオス様も第2王子だから、一緒になるのは大変だろうけど、それでも好きなら…」

さっきまでのたどたどしさはどこへ行ったのか。

早口でまくし立てるように言われ、面喰らうしかなかった。

でも、待って!

どうしてそうなるの!?

「ちょっと待って!一緒にって…何なの!?」

手を差し向けて、カムリを制止する。

そんな私の険しい顔を、カムリはキョトンと見た。

「テリオス様と想い合っているんだろう?」

私が?

「どうしたらそういう考えになるのよ!」

イライラする。

この男はどうしてこうなんだろう?

「隠さなくても」

優しい笑顔を向けないでよ。

勘違いだとしても、あなたからは祝福して欲しくないのに。

「違うから」

「え?」

「そういうんじゃない」

いっそのこと、この男の勘違いを根本から正してやりたい。

私があの時泣いていたのは、テリオス様への感情ではない。

そう。

真相は違う所にあって、それをカムリにぶつけたら――

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