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プリンス×プリンセス

第82章 改めて誓う

幸せって…

「俺の事はどうでもいい」

俺の言葉に、姉上はふるふると首を横に振り…

「あなたにはたくさん迷惑をかけている」

そう言って、悲しそうに顔を歪める。

「私を護るために、意に添わないこともしてもらった。だから…こんなお願いはしてはいけないと思っていた」

姉上は胸の前で手を握り締めて…

「でも…あなたが引き受けてくれるなら」

顔を上げて俺を見るその目は、決意に満ちていた。

「そしてあなたが幸せだと思ってくれるなら」

胸の前で固く握り締めていた手を伸ばし、俺の手を握る。

緊張で震える指はとても冷たくて…

その感触に、背筋がぞくっとした。

「お願い…ティアナを引き受けてくれない?」

姉上の希望は、俺と姉上が入れ替わって、俺はティアナとしてフェールロコノで生きる。

姉上はテリオスとしてここに残り…いずれは一般人としてルーミーを見守りたい。

姉上の顔はとてつもなく真摯で…

だから、これが冗談ではないとわかる。

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