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プリンス×プリンセス

第82章 改めて誓う

姉上が大切で、力になりたいと思ったからフェールロコノに付いてきた。

その気持ちに変わりはない。

だけど今回は付いていけない。

それに…心の奥底で…

付いていきたくない

ディオと離れたくない

そんな思いがあるのは否定できなくて……

言葉に出来ない思いを込めて、姉上を抱き締める。

「姉上…本当に、我慢しないで…早く連絡してくれよ!?」

「大丈夫よ」

俺を見て、それからシルフィを見て

「どんな人も生きるためにしている事をするだけよ」

そう言ってにっこりと微笑んだ。

「よろしくお願いします。『姉上』」

そう言って頭を下げられて…

「分かった…わ。『テリオス』」

そう呼び掛けるだけで…

涙が出そうになるのは何故だろう?

目元を拭われて、黒縁眼鏡の奥の瞳が細められるのを見て……

「…元気で」

「はい。『姉上』も」

それが別れの言葉になった――



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