テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第82章 改めて誓う

そして――

姉上と入れ替わるのは、帰国の日に決まった。

シルフィと姉上の部屋へ行き、俺には化粧を施して…

姉上は、俺と同じ長さに髪を切った。

切った髪を1つに束ね、簡易的なつけ毛を作る。

「やっぱり髪型って印象を変えるのね」

鏡越しに姉上の満足げな顔が映る。

確かにつけ毛を装着したら、それなりに姉上に似せることが出来た。

これなら咎められる事もなくフェールロコノへ入国出来そうだ。

次に、姉上はシルフィに髪を撫で付けてもらい、俺の服を着た。

「ねぇテリオス。眼鏡をもらってもいい?」

俺が今まで付けていた黒縁眼鏡を手に、姉上が訊ねる。

「伊達だし、使わないからいいよ」

「ありがとう」

眼鏡をかけて、クスッと笑う。

その姿は、遠目には俺と錯覚しそうなくらいそっくりだった。

「嫌になったらすぐに帰ってきていいんだからな?」

「ありがとう。でもその口調は合わないわ」

お互いに顔を見合わせて、同時に笑う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ