テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

「それで、解放…ですか」

そんな顔をしないで。

あなたを悲しませるつもるはないのよ?

「それもあるし…あなたもよ?」

呼び掛けに、ジュークは怪訝な表情をうかべた。

「1年…ずっと後ろめたかったでしょう?」

テリオスを解放したかった。

でも、私の願いはそれだけじゃない。

「私を騙して、全部1人で背負い込んで」

「そんな事は…」

慌てて身を乗り出すジュークに微笑む。

「その気持ちも解放して、楽になって欲しい。本当にあなたには感謝してるから」

それを聞いて、ジュークの顔色は晴れる事はなく――

むしろ、さっきより酷くなった。

どうして…?

また何か間違えている?

私はただ、あなたに生きやすいように生きて欲しいだけなのに。

微笑みが凍りつき、不安だけが残る。

「ジューク…」

「解放して…あなたはどうするのですか?」

「え」

「他人のための解放をして、あなた自身は解放されるのですか?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ