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プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

睨まれてるように感じるくらい、強い目で見据えられた。

その目を見ればわかる。

「私…」

ジュークは本当に優しい。

私を…私のこれからを、本気で心配してくれている。

そんな目で見られたら、甘えたくなる。

頼って、依存して…庇護欲を刺激してしまいそうで…

「大丈夫です。これからは皆が普通に生活していることをするだけよ」

邪念を振り払って、笑顔で答える。

だから安心して。

心からそう思うのに

「……そんな簡単に言わないで下さい」

どうしてジュークには届かないの?

「この計画を思い付いて、シルフィに話したら、彼女は賛同してくれたわ」

これは少しだけ嘘が混じっている。

最初は頑なに反対された。

でも何度も話をしていくうちに、シルフィは納得してくれた。

「どんな人でも、働いて得たお金で生活をしているわ」

それはどの国でも変わらない事。

「世の中の当たり前を、私もするだけ」

はっきり言いきると、ジュークは諦めの溜め息をついた。

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