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プリンス×プリンセス

第12章 アクシデント

「そうか。では任せた」

やけにあっさりと了承されて、何かが引っ掛かってディオを見れば、つまらなさそうにため息をついていた。

ふと気になって、ディオに訊ねる。

「ディオは?まだ仕度しないのか?」

服も普段着と同じような感じだし…

今日、結婚式を挙げる新郎には見えねぇぞ!?

「ああ。礼装は堅苦しいのでな。直前に着替える」

そして片方の口角を上げてニヤリと笑うと

「お前のように化ける訳ではないからな」

くそぉ。馬鹿にしていやがる!!

「おお。絶世の美女になってやるから楽しみにしておけ」

俺の軽口に、姉上とシルフィが顔を見合わせてクスリと笑う。

全く…誰のせいだと思ってるんだ!?

「あれ?そういや、ジュークは?」

いつもならディオにくっついて、時間や段取りの事を口うるさいほどに言ってくるのに。

「式場の警備か?」

以前、婚約発表の時に襲われた事を思い出す。

あの時でさえそういう輩が現れたんだ。

今日だって、何が起こるか分からないもんな。

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