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プリンス×プリンセス

第12章 アクシデント

そういう意味では、姉上と入れ替わるのも安全策かもな。

そう予想したのに、ディオは目を細くして言った。

「いや、今日は休暇を取っている」

「休暇!?」

こんな…人の出入りが激しくて、人手が足りなくて、なおかつ国を上げての式典なのに!?

それに、ジュークはディオの第一執事だろ?

一番忙しい立場じゃないか!!

目を見開いてディオを見れば、渋い表情のまま、鼻先で笑った。

「普段出入りしないような親族も来るのでな」

そりゃあ王子の結婚式なんだからな。

色んな人が集まるのは当たり前だろう?

「他人を陥れようとする輩に捕まりかねない」

「…?」

意味が分からず眉を潜める。

姉上を見れば、姉上も不安げな表情を浮かべていて…

その姉上の横で、シルフィは顔を伏せていた。

え?シルフィは理由を知っているのか?

口を開こうとすると、ディオが俺と姉上を見て聞いた。

「お前たちの耳には入っていないのか」

「何が?」

「ジュークの事だ」

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