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プリンス×プリンセス

第84章 そして…

「ああ、そうだ」

唐突に父上が声を上げると、母上へ呼び掛ける。

「サーバル国の2人も来ていたが、どうする?」

それを聞いて、母上は苦虫を噛み潰したように顔をしかめた。

あれ?

母上がこんな表情を浮かべるなんて。

サーバル国って、何か厄介な国だったのかな?

僕の視線に気付いたのか、母上はぱっと顔色を変えた。

いつもの、優しい微笑みを浮かべると

「結婚のお祝いをまだ直接伝えていませんね」

「行くか?」

その提案に小さく頷く母上に、父上は少しだけ目を細めた。

そしてそのまま、僕に視線を移すと

「挨拶回りに行くが…お前はどうする?」

僕の意見を聞いてくれるんだ。

少し意外に思い…そして、気付く。

これは僕が行かない方がいいやつだ。

だから、首をかしげて、困った顔を作ってみせる。

「少し疲れました」

父上は目を細めたまま、薄く笑みを浮かべる。

「ならばシルフィ、付いてやってくれ」

「はい、かしこまりました」

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