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プリンス×プリンセス

第12章 アクシデント

うわ。言っちゃったよ。

姉上の言っている事も一理あると思う。

だけど、当人を目の前にして言うのは勇気がいるだろう。

実際、姉上の口元は微かに震えている…。

すると、ディオが小さく息を吐いた。

「成る程な。そう見えるか」

「申し訳ありません。口が過ぎました」

慌てて姉上が謝ると、片手を上げて制して

「いや、いい。伴侶の意見だ。有り難く受け取っておく」

硬い声で告げるから、次をどう繋ごうか、皆が考えて…結果、何も語らない時間が過ぎた。

無言のまま、俺の支度だけが進んでいく。

その沈黙に堪えられなくなった時、それを撃ち破ったのはディオだった。

「結婚式の日にする話題ではなかったな」

全くだよ!!

だけど、聞いた俺も悪かったんだ。

謝ろうとしたら、姉上が

「いいえ。お聞かせ下さいましてありがとうございます」

そう言って、にっこり微笑んだ。

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