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プリンス×プリンセス

第13章 誓いの…

その途端、参列者からの拍手とお祝いの呼び掛けが響き渡る。

あぁ…ようやく終わったか。

参列者に気付かれないように、顔を伏せてため息を付くと

「なんて顔だ」

ディオが誰にも聞こえないように、耳元で囁いた。

まだ終わった訳じゃない、ってか。

まだ気を抜いたらダメだよな。

「悪い」

短く答えて顔を上げると、ディオはいつもの笑みを浮かべていた。

いつもの、人を小馬鹿にしたような笑みを。

そして、目を細くすると

「唇にされたかったのか?」

は…っ!?

「そん…っ!!」

そんな訳ないだろっ!!

大声で叫びたいのに、叫べない状況で。

俺は頭に血が上ったまま、ディオを睨み付けた。

ディオは俺の反応を愉しそうに眺めている。

くそムカつく!!

こんな茶番、早いところ終わらせたい!!

そんな俺たちを、参列者たちが

『とても初々しい。頬を赤く染めたティアナ様を、ディオチェスター王子が優しく見つめていた』

なんて評価していたのを知るのは、もう少し後になってからだった…。

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