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プリンス×プリンセス

第13章 誓いの…

誓いのキス、って…

やっぱりアレだよな。

頭の中に、以前キスされた光景が浮かぶ。

いや、アレはキスじゃなくて、人命救助で!!

情なんて何一つ無いものだけど!!

ディオがベールに手をかける。

ゆっくりと引き上げていくのと共に、ディオの顔もしっかりと見えるようになって…

俺と視線が絡むと、ディオの目が柔らかく細められて、俺にだけ聞こえるように呟かれた。

「絶世の美女か。よく出来ている」

まともに『綺麗だ』とか言われても困るけど!!

でも、これはこれで…どう返したらいいんだ!?

ベールを上げられて、ディオの手が俺の肩に置かれた。

うわ……来る!!

ゆっくりとディオが顔を近付けてきて、俺は成す術もなく、目を固くつぶった。

…と。

ディオの唇が触れた。

軟らかいその感触が落とされたのは、予想していた場所ではなくて…額だった。

目を開いてディオを見れば、ディオは眉を上げて怪訝な表情を浮かべる。

だけど、それも一瞬で。

次の瞬間には肩を引かれ、ディオに抱き込まれていた。

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