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プリンス×プリンセス

第14章 この気持ちは…

皆が立ち去って、しんと静まり返った部屋。

広々とした部屋の中で、何度目かのため息をついた。

どうして私はこうなんだろう。

いつも周りに迷惑をかけて、助けてもらって…

窓の外では、結婚式の取材にやって来た報道関係者が騒いでいる。

その音に眉根を寄せると、テレビを点けた。

どこの局でも結婚式の中継を流している。

本当なら、教会でこの声を聞いたはずだったのに。

もう一度ため息をつくと、部屋の扉がノックされた。

その音に、ギクリと体を震わせる。

だって、本来『私』はここにいない筈で。

まだ時間的にも教会で式を挙げている最中だ。

皆がそれを知っている中でノックするなんて…誰?

ゆっくりと、痛む足を庇いながら扉に向かう。

シルフィかしら…?

彼女ぐらいしか訪ねてくる人間に覚えがない。

扉の前で、開けるかどうするかを迷っていると

「私です。ジュークです」

扉の向こう側から名乗られた。

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