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プリンス×プリンセス

第14章 この気持ちは…

その時、窓の外が一段と騒がしくなった。

テレビを見れば、テリオスとディオが教会から出てきた姿が映し出されている。

「終わったようですね」

「そうみたいね…」

キャスターとコメンテーターが、口々に『清々しい笑顔』や『お似合いの二人』などと褒め称えているのを見て、クスッと笑ってしまう。

この国に来て直ぐの頃は、好意的な意見など殆ど聞かなかったのに。

するとジュークがテレビを見たまま呟いた。

「ついに…」

「え?」

「これでティアナ様は、ディオチェスター様の奥方、です」

その言葉を聞いて、何故か胸が痛くなった。

棘が刺さったように、ツキンと傷んで…

「…そうね」

無理矢理に笑顔を作ってジュークに向き合うと

「これからもよろしくお願い致します」

「かしこまりました」

きっちりと頭を下げるジュークに、にっこりと微笑んでみせる。

けれど、胸の棘が抜けることはなかった…。

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