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プリンス×プリンセス

第14章 この気持ちは…

「朝、起きて…ベッドから降りたときに…」

「降りて直ぐに!?」

目を丸くしたジュークに、慌てて否定する。

「降りて直ぐではなくて!!歩きかけた時に…絨毯につまずいて…」

否定しながらも、言葉を重ねる毎に言葉尻が重くなっていく。

どっちにしても間抜けさでは変わらないわよね…。

チラリとジュークを見ると

「…転んだ?」

何故だか難しい表情を浮かべていた。

眉を寄せて、口元に手を寄せて…

「この部屋で…」

ボソリと呟かれて、小さく頷くと

「くっ…!!」

堪えきれなかったようで低く呻くと、肩を震わせて笑いだした。

……え?

目の前で笑っているジュークに呆然としてしまう。

笑われたのはショックなんだけど…

だけど、それよりも。

こんな表情、初めて見た。

この人は、こういう表情で笑うのね。

眉尻を下げて笑うその顔は、いつもよりも幼くて…

可愛い。

それを微笑ましく思っている自分に気付き、その事にも戸惑ってしまう。

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