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プリンス×プリンセス

第3章 執事の来訪

「約束を交わした姫がいらっしゃったりは…」

「無い」

キッパリと言いきった俺に

「まさか、女性が苦手だったり?」

「はぁ?」

聞き返した俺に、ジュークはクスリと笑うと

「違いましたか。…では縛られるものは無い、と言う事ですね」

「…何が言いたい!?」

「いいえ。安心致しました」

そう言うと、ジュークはにっこりと微笑んだ。

「あ、着きましたね。ご案内ありがとうございます」

会見の間の扉を開けるジュークを

「おい!!」

引き留めようとしたのに

「テリオス王子。いずれ、また」

謎の言葉を残し、部屋に入っていった。

いずれ!?

いずれって、なんだよ!?

「訳わかんねぇ!!」

ドアに向かって叫ぶと、自分の部屋に戻った。

会見の間でどんな話がされたのか。

ジュークが何をしに来たのか。

それを知るのは、その日の夜―。

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