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プリンス×プリンセス

第20章 忘れられない感触

「テリオス様、どうしたんですか?」

カムリに問われて、はっと我に返った。

「いや、何でもない!」

かぶりを振ろうとして…背中から腰に痛みが走った。

「いっ…!」

体を丸めて痛みを抑え込むと、カムリが慌てて駆け寄ってくる。

「テリオス様!?」

「だ…大丈夫。何でもない」

痛む腰を押さえて姿勢を正すと、カムリが眉を寄せて気遣ってくる。

「何をなさったんですか?」

「昨日の夜…」

言いかけて口を閉ざす。

おい!何を言う気だ?

昨日の夜、ディオに襲われてイカされましたって?

「昨日の夜?」

首を傾げたカムリをどうにかしようと、知恵を絞った結果…

「…金縛りにあって」

俺の口をついたのは、突拍子もない話だった。

「え!?」

カムリは目を見開いて俺を見た。

ま、普通、信じないよな。

何言ってるんだ、って怒られるか?

だけど、俺の予想とは違って

「どこでですか!?この部屋ですか!?」

カムリは怯えたような顔で部屋を見回した。

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