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プリンス×プリンセス

第24章 お前だったのか

あれ以来…

ジュークから週に1度くらいの頻度で頼まれて、ディオの部屋に花を替えに訪ねるようになった。

おかしいとは思う。

だけど、断る理由が見つからなくて…

せめて、ディオに会わずに済むように、奴のいない時間帯を狙って行くようにしている。

今日もこれから替えに行かなきゃならない。

さっき、ジュークに声をかけられたんだ。

「テリオス様、そろそろ時期ですので」

「分かった」

それだけで分かってしまうのもどうなんだろう?

俺はここの庭師でも、アイツの小間使いでもないんだけどなぁ。

ため息をついて、口を曲げる。

仕方ない。さっさと終わらせよう。

いつも通り、ディオの部屋の扉をノックして様子を窺う。

…うん、誰もいないな。

部屋に入り、真っ直ぐ机に向かう。

先週と同じように、一輪挿しが同じ場所に置いてある。

それにしても。

確かに一番最初に置いたのは俺だけどさ。

この場所って、結構邪魔じゃないのかな?

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