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プリンス×プリンセス

第25章 労りの気持ち

金輪際近づかない!

そう決めたのは俺だ。

なのに、何でこうなっちまうんだよ!?

ため息をついて自分の状況を嘆いていると

「見苦しいぞ」

冷たい言葉を投げつけられた。

「背筋を伸ばして、凛としていろ」

うるさいんだよ!!

横目で睨み付けると、ディオは涼しい顔で笑っていた。

「ティアナの為だろう?」

ああ、その通りだよ!!

今日から2日間、隣国から招待されて、謝肉祭へ参加することになっている。

正式参加はディオと姉上なんだけど、俺も付いていく事になった。

今日になって、姉上の具合が悪くならなければ、付いていかなくても良かったのに…っ!!

「テリオス、ごめんなさいね」

コホコホと咳き込みながら詫びる姉上に、ゆるゆると首を振る。

「いいって。姉上はそんな事気にしなくて大丈夫だから」

そんな俺を、ディオは鼻で笑う。

「せいぜい、王子らしく…な」

「分かってるって!!」

深く息を吸うと、背筋を正した。



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