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プリンス×プリンセス

第25章 労りの気持ち

そんな俺に、短く息を吐くと

「ジューク、あとどれくらいで着く?」

「そうですね…大体一時間ほどかと」

「それまで保てるのか?」

くくっと笑いを込めて俺を揶揄してくる。

…相変わらず性格悪いよな!!

「おぉ。任せておけ」

姿勢を正したまま答えると、ジュークが

「まだ間がありますから、無理はなさいません様に」

…優しいんだか、馬鹿にしているのか。

とても素直に受け取れない言葉をかけてくる。

「大丈夫だっての!!」

大体、最初に付いてこいって言ったのはお前だろ?

姉上の具合が悪いって分かった途端、俺に声をかけてきたのはジュークだ。

「ティアナ様のお体が心配ではありませんか?」

そんな事を言って、俺の不安を煽って…

終いには、

「万が一体調が悪化されたとしても、テリオス様がその場を収めてくだされば、問題は起こりません」

そう言うと、ニヤリと笑いやがった!

こいつ…また姉上の代役をやれって言うのかよ!?

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