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プリンス×プリンセス

第26章 謝肉祭

会場に到着した俺達を、外務大臣が出迎えた。

歓迎の挨拶と共に、姉上にはブーケが手渡された。

「薔薇がお好きだとお聞きしましたので」

「ありがとうございます」

ピンクとオレンジのバラの花で作られたブーケに、姉上の頬がほころんだ。

俺とディオは、ラペルホールに薔薇の花を飾られた。

「よくお似合いです」

大臣の言葉に、ディオは薄く笑う。

あぁ、多分『俺は好きだと言ってない』とか思ってんだろうな。

それでも、ディオのプラチナブロンドの髪と、スカイブルーの瞳に、真紅の薔薇は確かに似合ってる。

俺はラベンダーカラーの薔薇。

たまたまなのか、意味があるのか。

…ま、深く考えないようにしよう。

「謝肉祭の名目ですが、収穫祭も兼ねております。この薔薇も、今年最優秀賞を獲得した農園の品です」

「見事ですね」

姉上の言葉に、大臣がにこりと笑うと

「席を用意しております。どうぞこちらへ」

そう言って、俺達を招き入れた。

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